感覚過敏・鈍麻を理解する
感覚過敏および感覚鈍麻は、発達障害、特にASD(自閉スペクトラム症)の方の特徴で多く見られます。
同じ刺激でも、人一倍敏感に感じてしまったり、逆に感じにくかったりするのです。
例えば、
- ちょっとした物音でも耳を塞ぎたくなるほどうるさく感じる。(聴覚)
- ノートに反射するわずかな光をまぶしく感じる。(視覚)
- ほんのり香る柔軟剤の匂いで気分が悪くなる。(嗅覚)
- 口に入れようとしただけで気持ち悪くなる食べ物がある。(味覚)
- 苦手な素材の服があって着たがらない。(触覚)
- 乗り物に酔いやすい。(前庭覚)
- 人や物に対する力加減がわからない。(固有覚)
以上はほんの一例ですが、上に書いた7つの感覚に関して、特別に敏感か鈍感か、ということになります。 今回の例は感覚『過敏』の例ですが、鈍麻は逆で、刺激に対して鈍いため、自分の頭を叩いたり、ぐるぐる回ってみたりして、わざと刺激を取りいれようとします。
例を見ていると、そのくらい我慢すれば大丈夫でしょ?と思ってしまいそうなものもあるかもしれませんが、本人たちにとってはとても大変なことなのです。
耳のそばで黒板を爪でひっかかれたらどうですか? あるいは懐中電灯の光を直接目に向けられたらどうですか? もしくは、虫を差し出されて「食べろ」と言われたらどうですか?
我慢できないですよね?
多くの人が我慢できることでも、感覚過敏や鈍麻の人にとっては、そのくらい苦しいことなのです。
その点を理解し、『逃げる・避ける・取り除く』などの対処を提案してあげてください。 また、本人がその対処を望むのなら十分にさせてあげ、我慢させるようなことはしないであげてください。 トラウマになってしまう可能性があります。