お母さんの心の叫びを本気できいて
「家で子どもに手を焼いていて大変で。宿題の時間はぐずるし、言うことも聞いてくれないし、気に入らないことがあると暴れるんです。もしかしたら発達障害かもしれないと感じていて…。ぜひ詳しい先生に見ていただきたいんです。」という保護者。
それに対して「学校ではしっかりやっているわよ。授業も係の仕事も頑張っているし、友だちとも上手くやっていますよ。全く問題ないから大丈夫!」と先生。
子どもとの関係づくりが上手で、どんな子にも卒なく対応できるベテラン先生は、学級内が荒れることもなく、雰囲気の良いクラスを作り、問題や困り感のある子どもが目立たなくなります。
たしかにクラスの居心地が良く、落ち着いて過ごせる環境は素晴らしいことですし、それが一番です。
でも実際には、家では親が困る状況であること、そして親がそれを訴えている事実を受け止めてほしいのです。
先生には、上手な子どもの扱い方のコツを知っているのなら保護者に教えてあげて欲しいし、保護者が発達障害を心配しているのだから、せめて関係者を増やして多角的に子どもの様子を見るように協力していただきたい。
ベテランだからこそ、優秀な先生だからこそ問題がないように見えていることだと認識し、
『クラス内の様子だけでその子を判断して、親の不安に寄り添わず、安易に「大丈夫」で済ませる』ということがないように、気を配っていただけたらと、日々感じています。
そのせいで発達障害やその子の本当の苦しさが見逃されたり、不登校や自傷行為などの二次障害の症状が出てから初めて気づいたり、というケースが少なからず見られます。
どんなに学校で上手くやっていて問題ないように見えても、苦しいのは保護者であり、その子自身であることを忘れずに現場にあたりたいものです。自戒の念も込めて…。