親のせいばかりではない。愛情を受け取るのがヘタな子。
日頃カウンセリングに来室するお子さんの中には、実際は、親御さんがお子さんにたくさんの大きな愛情を注いでいるのに、お子さん本人の話(様子)だけだと「もしかして愛情不足?」と思えてしまうお子さんがおります。
『愛情の器』という言葉を聞いたことはありますか?
言葉から想像つくかもしれませんが、愛情の器とは『愛情を受け取ってためておく器』のことです。
形や素材はそれぞれですが誰しもが持っている器です。(※1)
『愛情の器』は人それぞれ個々に、様々な形や素材で作られていて、そこに注ぐ愛情の形や素材もそれぞれ異なっていると(※2)、私は考えます。
お子さんの中には、過去のちょっとした親の言動がトラウマになっていて、素直に愛情を受け取れなくなっている子も見受けられます。 その一因にもなり得ますが、子どもが望んでいる愛情とは全く違う形の愛情を親が与えてしまっていたり、そもそも子どもが器に愛情をためておけなかったりすることもあります。
例えば、丸い形の器に、四角形の愛情を入れても隙間ができる。
薄くて柔らかい素材の器に、固くて尖った愛情を投げ入れたら器が破けて壊れてしまう。
ザルの様に穴が開いた器に、液体やサラサラした砂のような愛情をどんなにたっぷり注いでも、漏れてしまっていつまでもいっぱいにたまることはない。
お猪口のような一口サイズの小さい器は、一度にほんの少しの愛情しかたまらず、すぐに使い切って空になってしまうので、次から次へと愛情を注ぎ足さないと間に合わない。 などなど…
しかし、その子の持った器がどんな形でどんな素材なのかは、一見わかりにくいですよね。
ではどうすればいいのでしょうか。
何よりも大切なのは、お子さんの性格や特性をきちんと理解した上で、しっかり話を聴くことです。 聴くと言ってもどのようにするのか? 長くなってしまうので続きはまた次回に。
(※1)『「愛情の器」モデルに基づく愛着修復プログラム』米澤好史著など参考。
(※2)米澤先生のお考えとは少し違うかも。私の『愛情の器』イメージでお話しました。
参考図書