日本で広まりつつある誤ったHSPの概念
「うちの子HSPなんですよ」と相談に来られる方が最近増えた気がします。
『HSP』とは、『Highly Sensitive Person』の頭文字をとって『HSP』で、直訳すると、『とっても敏感な(感受性の高い)人』となります。 『とっても敏感な子(Child)』で『HSC』ともいいます。
《とっても敏感》な 『HSP』 というと、ネガティブに受け取られがちで、あらゆることに敏感過ぎて困っている人、という印象があります。 たしかに敏感過ぎるがゆえに困っているから問題として取り上げられ、フューチャーされやすいのかもしれませんが。
実際に、《敏感=感受性が高い》ために学校生活や対人関係でしんどさを感じて不登校、というお子さんも少なくありません。
しかし、『HSP』の人は、敏感なのは悪い環境にだけではなく、良い環境にも敏感という素敵な面もあるのです。 つまり、感受性が高いために、あらゆることに、良くも悪くも影響を受けやすいということです。
とは言え、『HSP』であることで、楽しいさや心地よさを感じる人よりも、生きづらさを感じている人の方が多いのも事実かもしれないですね。 いや、良い環境に優位に感受性が働く人や、そもそも良い環境に身を置いている人は『HSP』を自覚しにくく、そうでない人は『HSP』を実感しやすいということでしょうか。 ゆえに、どうしても悪い環境に敏感で辛い思いをしている人の方が目立ち、【敏感過ぎて生きづらい人=『HSP』】と勘違いしてしまう人が多いのかもしれません。
そして覚えておきたいのは、HSPは病気でも障害でもないということです。
それから、発達障害の持つ特性と似通った特徴もあるということ。
自己判断で「自分(子ども)はHSPだ」と思い込まず、あらゆる角度からきちんとしたアセスメント(見立て)をした上で判断する必要があると思います。 必要なら病院で相談するのもいいでしょう。
病気ではないので、一般的には病院で『HSP』の診断が下ることはないと思いますが、発達障害の可能性があるかどうかは分かるはずです。
『HSP』に有効な支援は、きっとそうでない人にとっても嬉しい支援かとは思いますが、発達障害であれば、また違った支援方法を考えなければなりません。
子どもたちそれぞれの特性に合った、適切な支援をするためにも、自己判断せず専門家に相談することをおすすめします。