自分の感情に名前をつけることの大切さ ~感情のラベリング4~
前回、ある出来事に対するAくんの『イヤな気持ち(もやもや)』について分析し、感情に名前を付けました。
- イヤな気持ちは『喜怒哀楽』のどれに分類されるか。→ 『怒』
- 『怒』の中のどれが一番近い気持ちか(いくつか選択肢を用意してあげましょう)
・(先生に)納得いかない → ◎
・(みんなの前で)恥ずかしい
・(大声に)イライラする
・(失敗した自分が)情けない
・(失敗した自分が)悔しい など… - なぜ『納得いかない』と思ったか → 走ってないのに先生が怒ったから
Aくんの、なんだかよくわからないけど、イヤな気持ちは、『自分は走ってるつもりはなかったのに、大声で先生が怒ったこと』への『納得いかないという怒り』の感情だった。
ということがわかりましたね。
そして、この一連の流れを見る中で、Aくんの思考のクセについても、前回少し触れました。
前回の記事はこちら→ https://www.a-luar.com/archives/2021/07/02/815/
みなさんは、先生の声の掛け方をみて、どんな印象を受けましたか?
場合によっては、
「大きな声ではあったけど怒鳴ったわけではないかも」
「走るな!ではなく歩きましょうという表現なので、怒ってたわけではないのでは?」
と、受け取れませんか?
でも、Aくんは、瞬間的に先生に怒られたと感じ、しかも自分に沸いた感情をも『怒り』ととらえました。 みんなの前で怒られた(と感じた)ことが恥ずかしかったとかでもなく、ギリギリまで図書館にいた自分が悪かった(失敗した)と思うでもなく、先生に対して怒りの感情を持ちました。
これ自体はそんなに悪いことではありません。
しかし、自分の感情を分析して名前を付けた(ラベリングした)り、事態を客観的に眺めたりせず、『なんとなくイヤな気持ちでもやもやしている』ばかりだと、
意味もなく負の感情に心を支配されてしまって
ストレスもたまる一方ですし、
対人関係も上手くいかず、
自己肯定感も下がります。
感情に名前を付け、事態を客観的に眺めることで、思考(考え方)のクセを修正したり、違う方策やより良い解決策を見出すことができやすくなります。
そうすることで、
長く深く思い悩むことが減ります。
長く深く思い悩むことが減れば、生きづらさが軽減します。
生きづらさが軽減すれば、心身の健康が保たれやすくなります。
自分の感情を知り、それに名前を付ける、感情のラベリングの大切さ、お分かりいただけたでしょうか?
いきなり自分一人では難しいという方は、カウンセリングにてお手伝いさせていただきますので、お気軽にお申し付けください。