まさか? 昭和思考が子どもの不安を引き起こす?!
まず最初に、これからお話することは、あくまでもカウンセリングを通して私自身が感じたことで、親から離れられない子や不安感が強い全てのお子さんに当てはまることではないということと、しっかりガッツリとエビデンスがあるか確認したわけではないことを、お断りしておきます。(自己防衛(笑))(しかし、ある論文に私が感じていることと似たようなことが書かれてはありました。)
学校まで母親に付いてきてもらわないと登校できない子。
教室まで母親に付いてきてもらわないと教室に入れない子。
母親に付き添ってもらえないと学校生活が送れない子。
学校でのあらゆることに不安を感じて、どうしても母親に付き添ってもらいたい、母親と離れるのが辛い、というお子さんがおります。
理由・原因は当然子どもによって違いますし、家庭の事情も違います。
しかし、そんな中で、「こんなことが関係しているのでは?」と思うことが・・・。
『こんなこと』とは、家庭内のある事情とそれに翻弄される母親です。
そして『家庭内のある事情』とは・・・、
義両親(または実の両親)や夫が【ザ・昭和】と言ってしまって良いものかどうかはわかりませんが、いわゆる古い考え方で、母親は「それに従わないといけないかな」と、緊張し遠慮して生活していることです。
古い考え方とはつまり、
- 家事や育児は母親が責任を持ってするもの。(でも母親以外の家族が口を出す。)
- 子どもが大きくなるまでは母親は仕事に出ない。もしくは短時間のパートであるべき。
- 子どもの園や学校の行事は母親が行ってあたりまえ。
- 子どもをいい子で立派な子に育てなさい。
などの考え方のことで、
母親はその呪いのような思考にとらわれ、身動きが取れず、責任感に押しつぶされ、でもこのストレスを発散させる趣味や楽しみが持てるわけでもなく、夫もどちらかというと義父母寄りな存在で愚痴も言えないし、できればあまり関りたくない義父母たちと距離を置くために子どものことに集中しよう、子どものことだけを考えよう・・・
と、無意識に思うようになります。
母親が無意識に、子どもに執着というか、「子どもだけが生きがい」のようになって、『子どもの面倒をみること』『子どもを心配すること』だけが自分の仕事であるかのようになっていく気がするのです。
すると、子どもが一人でもできることを先回りして手伝ってしまったり、学校でのことも過剰に心配して「本当に大丈夫だった?」などとしつこく聞いてみてり、自分の出番(仕事)を探してしまいます。
中には、子どもよりも、親の方が子どもと離れたくない気持ちでいるのかな、と思える親子も見受けられます。
これが結果として子どもの不安感を高めることとなります。
子どもの性格や特性にもよりますが、先の見通しや計画を立てるのが苦手な子は、親の先回りによる子どもの経験不足が原因で不安に感じる出来事が多くなり、学校へ行きたがらなかったり親が付き添わないと教室に居られなくなったりする、という可能性が無きにしも非ず、だと思うのです。
また、もともと不安を感じやすい子の不安を、さらに加速させてしまう要因になるのかもしれません。
昭和思考そのものが、子どもの不安を引き起こすのではなく、『昭和思考の呪いの渦にのみこまれた母親が、子どもを巻き込んでしまう』といった感じでしょうか。
子どもが母親から離れられない原因は、もちろんこれだけではないので、今回のお話は、私の体感によるひとつの意見というか、感想だと思っていただければ幸いです。