子どもの様子を見るにつけて、言葉が出るのが遅かったり、なにやら言動が不思議で何を考えているのか理解に困ったり、友だちとの関りが苦手だったりすると「この先大きくなった時に大丈夫かしら」と不安になることがありますよね。
子どもは成長とともに言語・認知・社会性などを獲得していきますが、それらの土台となるものが社会的コミュニケーション能力といえます。
たとえば言葉の発達が遅れている場合、言葉を重点的に教えたくなりますが、それだけでは効果は得られず、やはり土台として社会的コミュニケーションの力を付けることが大切になってきます。
ではどうすれば社会的コミュニケーションの発達を促すことができるのでしょうか。
それは対『人』との関わり合いをたくさん経験することです。
生まれて間もない赤ちゃんは親を親として認識しているわけではありませんし、はっきりと目が見えているわけでもありません。
しかし親は赤ちゃんと視線を合わせたり赤ちゃんが発する声に反応したりして親子の関りを深めていきます。
また空腹やオムツなどで不快を訴えて赤ちゃんが泣いた時、親がお世話をすることでそれに応えてコミュニケーションをとります。
そういったやりとりを経て、成長とともに赤ちゃんは徐々に親と双方向のコミュニケーションをとれるようになっていきます。
そして最終的には他者の視点でも物事をとらえられるようになって、いわゆる空気を読んだり相手の気持ちを思いやったりといったことができるようになるのです。
一般的に社会的コミュニケーション能力は、日常の中で行われる親子(家族内)のやりとりや関わり合いの中で発達していきます。
ところが、発達特性(特に自閉スペクトラム症)がある子どもは、社会的コミュニケーション能力が獲得しづらいと言われています。
『目が合いにくい・こだわりが強い・感覚過敏がある』などが社会的コミュニケーション能力を獲得しづらくさせる原因なのですが、それらがどう影響して“原因”となるのか。
つづきは次回、その2でお話ししますね。