孤独な子育てはなぜ危険なのか?なぜ孤独感が強くなってしまうのか?
そうならないためにはどうすればいいのか?
そんなことを考えました。
孤育てな子育て
孤独感満載の子育ては危険!
孤立した中で子育てをしている状態をよく『孤育て(こそだて)』と表現しますが、子育てに悩むお母さん(お父さん)が日常的に孤独を感じ始めたら危険信号です。
日頃から悩みごとを話せる環境を作り、母親(父親)によりそってくれる家族または公的/民間サービスが必要だと、私は声を大にして言いたい。
孤育てはなぜ危険なのか?
子育ては楽しいことや嬉しいこともたくさんあります。日々の子どもの成長に一喜一憂しながら親であることに幸せを感じることもあります。
一方で、常に子どもと二人きり、自分の時間も取れない、思うようにいかない子育て、常に寝不足といった中で命を預かる緊張感と対峙して生活しなくてはなりません。
子育てによるストレスと疲労、不安で、母親(父親)の心と身体は健康を失われていきます。心身が壊れる前にきちんとケアができれば、きっとそこそこの健康が保たれるのでしょう。
しかし頼る人もいない、悩みを話せる人もいない、自分の辛さを共感してくれる人もいない、一息つく時間も場所もないという孤独な状態が続くと、徐々に心と身体の健康が崩れはじめます。
心身が不健康だとどうなるか?
育児ノイローゼになって必要以上にイライラしたり悲観的になったり子どもが可愛いくないと思えたりする可能性が考えられます。その結果、最悪なケースは虐待です。
このように孤独な子育てが虐待を生む可能性をはらんでいるので、『孤育て』は危険なのです。
子育ての実際
調査結果からわかること
地域SNS「PIAZZA」による調査結果をみてみると
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000058.000016981.html
-
子育て中あるいは子育て経験のある女性の74%(全体でも64%の人)が子育て中に孤立や孤独を経験。
- 第一子が0歳のときに最も「子育て中の孤立や孤独」を感じる。
となっており、「子育て中の孤立や孤独」を感じる場面として
-
子どもと二人きりでいるとき(約61%)
- 近所に悩みを共有できる友達がいない(約36%)
- 子育て仲間にうまく入れない(約32%)
といった、コミュニケーションがとれる相手が不足している時に多いことがわかっています。
また、厚生労働省の『21世紀出生児縦断調査』(2002年度 対象児年齢1才6か月)では、共働きの母親よりも専業主婦の方が子育ての負担感が大きいという結果でした。
やはり社会とのかかわりが少ないほど子育てに対する不安や孤独感が増すと言えるのでしょう。
私の経験談
これらの調査結果を見て、思わず私は大きくうなずきました。
自分の子育てもまさにこの通りで、孤独で押しつぶされそうになっていたことを思い出しました。
私は生まれ育った家を離れて、夫と夫の両親以外だれも知り合いのいない地方に嫁ぎました。
望んで授かった初めての赤ちゃん。賑やかで楽しい毎日。穏やかな日差しの中で微笑む私たち親子。
そんな妄想は出産直後に打ち砕かれました。
徐脈と診断された娘は産院に私ひとり残して総合病院のNICUへ救急搬送。
特に問題ないと3日ほどで退院したものの、毎授乳後に繰り広げられる原因不明のミルク噴出劇。これまた原因不明の未明まで続く夜泣き。
子どもの体調面を常に心配しているのは母親である私のみ。周囲からは「心配ない」「大丈夫」「心配し過ぎ」と言われ全く理解も共感もされない。
心身共に疲労困憊だったけれど子育ての不安を相談する人もおらず、唯一頼りたかった夫は月の半分は海外出張で不在。
『0歳児の子育て・常に子どもと二人きり・悩みを共有できる人ゼロ』
調査結果のまんま!孤独!その上心身の疲労。私もおそらく育児ノイローゼだったと思います。
可愛いはずの子どもを可愛いと思えなかったのですから。
毎日イライラしていて、怒らなくていい場面で怒鳴ったり冷たい態度をとったりすることもありました。恐ろしいことにこれはもう虐待の一歩手前です!
孤独にさせない環境を
調査結果を見てもわかると思いますが、パートナーや他の家族、または外部機関(サービス)などの支援が得られないまま、孤独感で心身共に追いつめられていくお母さん(お父さん)は少なくありません。
24時間休みなく子どもとだけ向き合っていく、というのはとてもしんどいものです。
虐待の原因は『望まない妊娠』『親の精神疾患』『経済的な理由』などさまざまですが、『親のストレス』も大きな要因のひとつとしてあげられます。
子育てにより感じるストレスや不安を共有できる人がいるだけで孤独感は軽減します。孤独感が強くなると不安もストレスも増幅します。
そうならないためにも、身近なパートナーや他の家族が主たる養育者によりそい(もしくは共に子育てをし)、保育園や子育てセンターなどのあらゆる福祉サービスを目一杯活用してもらい、子どものためにもお母さん(お父さん)が孤独にならないようにしたいものです。
そのためには子育て中の親に優しい公的(あるいは民間)サービスが充実し、それを気軽に利用できるような仕組みが必要ですよね。ぜひそんな子育てのしやすい国になることを願います。